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シンプル・ライフ

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プロ棋士と呼ばれる人

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「プロ棋士と呼ばれる人」

 私は、まったく将棋の知識は無い。それでも棋士という職業に付き活躍している人や、なろうとしている人達の世界にはとても関心がある。
 何故その世界に興味を持つかといえば、棋士とは年齢に関係なく実力主義で、真剣勝負の中で生き抜いている存在だからである。
 一つの勝負が歴史と流れを造る、その積み重ね。
 時には運をも味方につけてしまうその強さと、将棋に対する熱心な姿勢を持った類まれなる天才が生み出される。
 それは知れば知るほど自分とは無縁でありながら、魅力的な世界なのだ。

 まず、棋士になるためには奨励会という棋士養成機関に入らなくてはならない。
 この奨励会に入るにはアマチュアで四段ないし五段の実力があり、入会には保証人が二人必要で、そのうちの一人は親族。
 もう一人がプロの棋士である。
 そのプロと師弟関係を結んで保証人になってもらい奨励会の試験で認められれば入会が出来る。
 弟子入りして奨励会に入る。まずこれがプロの棋士になるための第一歩となる。
 しかし、奨励会に在籍出来たからといって簡単にプロになれる訳ではない。
 この中のほんの一握りの半年に一度のリーグ戦を勝ち残った二人がプロとして、年間四人が活躍できるようになるのである。
 勿論将棋の腕がある人達の中で勝ち抜くのであるから、奨励会に入るのも狭き門であれば、プロの棋士になるのはさらに難関なのである。

 奨励会というところには年齢制限というものがある、まず十九歳までに初段を取りそして二十六歳までに四段を取らなくてはならないのである。
 これが出来なければ、プロにはなれない。奨励会も退会しなくてはならない。以前の年齢制限は三十一歳であったが、それまでに見切りをつけられずプロ棋士を目指し、最終的にプロへの道が開けなかった奨励会員が社会に出るのが三十一では厳しいだろうという判断で年齢制限を引き上げたのだ。
 二十六歳といえば、順当に行けば世間では大学を卒業する年齢でもある。それでも、社会に出て棋士と違った人生を歩むには難しいだろう。
 プロになるまでに困難が付きまとい、中には年齢制限にひっかかる前に奨励会から脱会する人も居る。

 奨励会から勝ち抜いてプロになってもそれがゴールではない。
 過酷で厳しい勝負の中に身を置いて、プロになった棋士は更なる目標に向かっていく、判りやすい目標は現存する七つのタイトル王将・王位・棋聖・棋王・王座・竜王・名人であり。
 挑戦者になるのにも戦いを勝ち抜き、ようやくタイトル保持者に挑戦出来るのである。
 この七つのタイトルの中で最も権威と名誉が高いのは名人である。
 この名人になるためには、プロになってどんなに最短であって五年の年月を必要とする。それは、毎年の順位戦によって階級を上げC二級→C一級→B二級→B一級→A級のトップにならなければいけないからだ。

 挑戦する者。それを受ける者。この世界はタイトルを取ったからと言ってゴールではないのだ。
 常に切磋琢磨しつづける将棋の世界、そこには数限りないドラマが生まれている。

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